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ブランド、ブランディングについて考える。 中小企業編。

ブランド、ブランディングについて考える。 中小企業編。

 

「ブランド」と言って、その定義を簡潔に説明できる人は果たしてどれ位いるのでしょうか。

 

 

マーケティング施策に取り組む時、中小企業においても、ブランド定義の理解やブランディングについての取り組みも必須課題となります。

 

 

「ブランドとは」でネット検索してみてください。

本当に色々な定義や記事情報が発信されています。

 

 

教科書的な定義は、それらの記事を色々と読んでみてください。

定説的な定義と様々な解釈、定義が多く出ています。

 

 

どれも似たような、違うような、よくわからないというのが正直な感想ではないでしょうか。

 

 

 

因みに、

Brand/ブランドを英和辞書で引いてみると、品種、種類、型、焼き印、商標、烙印、などの直訳がでてきます。

 

 

 

元々は、牧場主が、放牧されている自分の牛と他者の牛とを区別するために、焼き印を施したことが語源とされています。

 

 

 

企業活動におけるブランドとは、自社の製品と他社の類似製品とを識別するための指標と先ずは理解して良いと思います。

 

 

そのコミュニケーション手法として、商標、ロゴマーク、ロゴタイプ、デザイン手法、サウンドロゴ、キャッチフレーズ、メッセージ、ブランドマントラ、VI(ヴィジュアルアイデンティティ)、等々、ブランド価値を深めていく、高めていくための様々なコミュニケーション手法や要素があります。

 

 

これらは、ブランドの価値創造、価値向上のための手段の要素であり、ブランドを定義するものではありません。

 

 

消費者に識別してもらうための、指標、目印ではあります。

 

 

 

単にブランドというだけでなく、具体的には次のような分類で理解すると良いでしょう。

 

 

企業ブランド、事業ブランド、商品ブランド、製品ブランド、サブブランド、最近流行りの地域ブランド、

昔流行ったDCブランド(デザイナーズ&キャラクターズ ブランド・服飾/バブル世代にとっては懐かしいワードですね)、キャラクターズブランド、

プライベートブランド、ナショナルブランド、ライセンスブランド、等々、

様々な○○○ブランドというワードがあります。

 

 

実は、これら全てが端的に同一のブランド定義では、説明できないのです。

 

 

 

本編では、特に中小企業にとっても今後、施策取り組への必要度が高くなるブランディング、つまり、構築の課題とする、企業ブランド、事業ブランド、商品ブランド、製品ブランド、サブブランド等について、基本的な解説をしていきたいと思います。

 

 

 

ブランド=高級品の総称?

 

ブランドというと、真っ先に思い浮かぶのが、女性に大人気のバッグのブランドの数々や宝飾品や宝飾時計のブランド品の数々が思い浮かぶのではありませんでしょうか。

 

 

ブランドというと富裕層の虚栄心をくすぐる、モノグラムデザインが特徴のバッグのロゴマークや王冠マークの時計など、まさに、所有者の多くが高額所得者を連想させるブランド名を意識してしまうのではないでしょうか。

 

 

しかし、これらは、その企業ブランドのマインドを代弁している商品ブランドであって、決して、富裕層の虚栄心を満たすために、それらの超有名なブランド製品を世に送り出しているのではないことも付け加えておきますね。

 

 

 

「ブランド=高額品」では無いこと、また、バリューな価格の製品でも一貫した理念の基、製造された製品も「ブランド」に当てはまります。

 

 

 

余談ですが、宝石や宝飾品、宝飾時計のブランドについて調べてみると結構、参考になります。

 

 

それらのブランド定義を知ることで、それらの価値を理解できるのでは無いかと思います。

 

 

また、詳しくは別の機会に解説させて頂きます。

 

 

 

基本解説、「企業ブランド」とは。私見ではありますが。

 

単語としての「ブランド」と表記すれば、その定義は、解説する人、提唱する人の目線や着目点によって微妙に定義が分かれます。

 

 

基本的には根幹の部分を解説しているのではなく、受け手がある程度の基本を踏まえている前提での定義を提唱しているのでは無いかと感じることもあります。

 

 

 

では、「企業ブランド」として、私なりの経験から踏まえた定義を提案したいと思います。

 

 

私がブランドの定義を考え始めたのは、まだ、サラリーマン時代の平成11年(1999年)頃でした。

 

現在も広告代理業としての業務を請け負っています、弊社のクライアント様の仕事を請け負い始めるようになった頃からです。

 

 

当時、私は企画制作課に所属していましたが、営業的な業務も併用していて、そのクライアント様に対しては、営業と制作業務の両方を担当していました。

 

 

業種は宝飾店で中部地区の中心地より少し離れた地域に所在していましたが、地元の地域住民や中部圏では、そこそこ、著名な宝飾店です。

 

実は、この宝飾店、宝飾業界では、海外でも日本国内でも著名な宝飾店の一つです。

 

 

因みに、よく聞かれる様々なブランドの「正規販売店」という言葉を提唱されたのも、亡くなられたこの宝飾店の創業者であると言われています。

 

因みに、この御方が私の人生の師でもあり、弊社が独立創業する際にも、多大なお力添えを頂いた方のお一人でもあります。

 

 

 

様々な宝飾品ブランドの正規販売店であるこのショップの広告宣伝や販売促進の業務を請け負うに当たって、「ブランドとは、何?」と修学するところから企画制作の業務が始まりました。

 

 

 

宝飾品ブランドを例に、ブランド論を考える。

 

あくまでも私見です。

 

凡そ20年前、そのクライアント様に、様々な企画提案のために、宝飾ブランドについて、修学を始めた頃に、色々な著書や資料、関係者への取材から得た情報を元に作成した参考意見、私見と考え拝読ください。

 

 

ですから、引用文献や出典資料など特定できるものはありません。

原稿元は、私の古いメモからの作成原稿です。

私なりに解釈した意見の一つと思って理解いただければ幸いです。

 

 

 

最近でこそ、ブランドごとの宝飾時計の専門店を見かけることも多くなりましたが、一昔前は、宝石店が時計も一緒に販売しているスタイルが多かった時代もありました。

 

 

「なぜ?宝石店が時計も売っているの。」という疑問を持っていた消費者が多かったのも事実です。

 

 

宝石と時計、実は、この二つの文化はとても深い関係がありました。

 

 

まず、宝石について、簡単にその文化を解説してみましょう。

 

 

例えばダイヤモンドについて解説していきましょう。

 

西暦1世紀頃に、ダイヤモンドが存在していた文献があるそうです。

 

14世紀頃までに、正八面体、正十二面体にカットされるようになり、現在のダイヤモンドのカッティングの原型、全58面体、ラウンドブリリアントカットの原型が発案されたのが、17世紀末〜18世紀にかけて考案されたそうです。

 

 

ダイヤモンドは、地球上で一番硬い、傷がつかない、硬度が10の鉱物であります。

 

この加工の難しい原石を人々が魅了する、宝石、ダイヤモンドとデザインを施した宝飾品を製作するには、計り知れない、職人の人智と職人の技があったことを物語っています。

 

 

しかも、何の変哲も無い白濁色の石ころの原石があの美しい輝きを放つ宝石ダイヤモンドに加工できる事に気付いた古人たちは、人智の限りを尽くした勤勉でひたむきな職人気質と感性を持ち合わせていたのでしょう。

 

 

古代より宝石は、スピリチャルで人々を魅了し幸福や富を呼び込むものと認識されていたようです。

 

 

ダイヤを始めとする美しい宝石たちと黄金を使用した、幸運を呼び込む宝飾品として、手にした人々がその幸運と共に、ご子孫、末裔までも引き継がれていくことを切望した、美しさと輝きを追求し続ける普遍的な理念の基、宝飾品が造られていました。

 

 

現代でも現存する宝飾品ブランドも、工業製品では無い職人の技術に支えられて、数々の宝飾品は世に送り出されています。

 

 

その当時から、職人の勤勉でひたむきな技術がなければ、宝石や宝飾品は産まれなかったでしょう。

 

 

 

宝石や宝飾品が世の中に出た頃は、確かにその時代の権力者や富裕層のステータス品であったのも事実です。

 

 

ごく一部の特権階級の人々しか持てなかった宝飾品であったことは言うまでもありません。

 

 

 

大分、端折りましたが、ダイヤや宝石については、調べてみると、大変、スピリチュアルで知れば知るほど、男性の私でさえも魅力的に感じてしまいました。

 

 

 

では、宝飾時計は?と言うと。

 

次に時計はどうかと言うと、

現代の技術の礎となった機械式時計。

 

近年の宝飾時計の主流は、大半が機械式時計です。

 

 

その技術の発想は天文学にあるそうです。

時計の発明が人類の文明の発達に大きく貢献したことも間違いないそうです。

 

 

クロックと言われる機械仕掛時計が発明されたのが、凡そ700年以上前の1330年頃と言われています。

また、ウォッチと言われる携帯時計が発明されたのが、凡そ500年以上前の1500年頃だそうです。

 

 

現代の腕時計が発明されたのが凡そ100年以上前の1900年代前半だそうです。

その原型は、ヨーロッパの超有名宝飾ブランドが最初だそうで、

数年前に腕時計誕生100周年を機にその記念モデルも発売されました。

 

 

 

機械式時計を一度は見たこともある方も多いのではないかと思いますが、中のムーブメントの精巧さは、本当に古人が考えついて製作されたのかと700年前当時のものは現在のものほど精巧ではなかったでしょうが、現代の技術から見ても凄い!の、一言しか思い浮かばないのではないでしょうか。

 

 

世の中に時計が誕生した時の原型は、金細工のケースに宝石が散りばめられた、大変、ステータス感溢れるものだったそうです。

 

また、ウォッチの原型は、缶ビールのロング缶のような金のケースの上面に文字盤を配置し、宝石も散りばめられていたそうです。

 

 

 

時計が発明されなければ、家電やパソコン、自動車などの様々な現代の技術は、なかっただろうと言われたそうです。

 

 

 

時計に関してもその誕生は、宝飾品と同様に人智の限りを尽くした、勤勉でひたむきな職人の存在と思いが支えていました。

 

 

 

当初は、時計も特権階級の人々のためのものでしたが、成功した証に手にした時計を宝飾品と同じように、ご子孫や末裔まで、その思いと共に引き継がれていくことをひたむきに思い、その思いに応えられるように長く使える時計を造るために職人たちの技術と思いが支えていました。

 

 

 

人々は、アクセサリーではない宝飾品や宝飾時計を購入する動機は、何か人生の中で大なり小なり、自分の中での節目や記念など何かの証を感じているのではないでしょうか。

 

 

 

父や祖父が、自分が使い込んだ時計を息子や孫にプレゼントすることってありませんでしたでしょうか。

 

 

母や祖母が、指輪やネックレスを娘や孫に結婚などを機にプレゼントすることって、ありませんでしたでしょうか。

 

 

それらは、父や母、祖父や祖母の思い出や思いも込めて贈っている伝道師?になっていませんでしょうか。

 

 

 

末代永劫まで幸福を呼び込み、その宝飾品や時計が語り継いでいかれるものに相応しい語り部になるようにと職人たちの純粋無垢な思いが込められて造られています。

 

 

そうした、普遍的で一貫した企業理念が現代までも続いています。

 

 

ロジカルに語られることはあまりありませんが、その理念を代弁する、宝飾品や宝飾時計がその思いを潜在意識の中で感じてもらえ、共感してもらえた人々に支持され、「ブランド」と言う言葉で表現されています。

 

 

 

実は、私にも祖父から父へ、そして、私へと受け継いだ時計を今も所持しています。

 

今でもまだ動きます。

 

 

また、祖母から母へ受け継がれたダイヤの指輪も私が結婚するときに家内にプレゼントされた宝飾品もあります。

 

 

 

 

著名なバッグのブランドも基本的な理念は共通するものがあります。

 

 

初めて手にした人の思いと共に、末代までも語り継がれていく、それに相応しい美しさと耐久性を持った職人による製品を世に送り出しています。

 

 

 

大分、ロマンチストに語ってしまいましたが、ビジネスライクな理念もあることは否定しませんが、根底にある基本的な存在理念はこれらの思い、企業の「心」にあります。

 

 

創業当初からの存在理念に裏付けされた、一貫した普遍的な事業として継続していくこと、その存在理念を代弁する商品を通じて、様々な企業活動を通じて、対象とする人々に、共感してもらい、その存在を支持してもらえた時、「企業ブランド」として認知、支持され、成立するものです。

 

 

 

だから、企業資産と位置付けられるのです。

 

ブランド価値を高めること、価値を上げていくことは、一足たんには達成できません。

 

 

 

マーケティング施策やコミュニケーション活動を通じて、ブランド価値を高め、深めていくこと、共感者を増やしていくことをブランディングと言います。

 

 

その手法手段は、個々の企業によって違います。

 

 

 

まとめ

 

大分、例え話を端折って解説しましたが、イメージはご理解頂けたでしょうか。

 

 

 

ブランド、企業ブランドとは、それぞれの企業の存在理念に裏打ちされた思いから、代弁者である商品やサービスを通じて、マーケティング施策、活動を通じて、様々なコミュニケーション活動を通じて、営業活動を通じて、ありとあらゆる企業活動を通じて自社の存在理念を発信し共感者を増やし、深めていき、利益を上げられる企業になり続けること、高い価値を認めてもらえた結果がブランドと称され、認知されます。

 

 

 

企業ブランドを確立、維持することは、様々な調達力を得ることになります。

 

 

人材、資金、売上、利益、永続など、企業として必要な安定的な調達力が得られる大きなメリットがあります。

 

 

 

資金や時間も掛かります。

疑問を感じることもあるかもしれません。

 

 

 

企業の無形財産(資産)「ブランド」とは、その企業の存在理念に紐付けされた、社会や消費者に対する “ 約束事 ” です。

 

マーケティング施策やコミュニケーション活動は、そのブランド構築の手段の一部であり、それを如何に深めていくのか、如何に共感者を増やしていくのかが、ブランディング施策のテーマであります。

 

 

そして、自社の商品やサービスは、その企業が社会に貢献、存在する意義の代弁者であると言われます。

 

 

 

企業ブランドの構築という課題は、事業経営において今後、もっとも重要な課題ではないかと考えます。

 

 

 

 

2020.09

 

 

 

この記事を書いた人

古野 徹
株式会社リップル
代表取締役
マーケティング・コンサルタント

広告関連企業8社に従事して36年超。
ありとあらゆる業務を経験してきたノウハウを活かし、総合広告代理店、㈱リップルを設立する。

創業15周年の通過点に向けて、新規事業として、中小企業を対象とした、「マーケティングに関するコンサルティング事業」サービスの提供を開業。
「心を大切にコンサルティングします。」を新たな基本理念に加え、
どうやって、集客していくのか、
どうやって、売り上げを伸ばしていくのか、
どうやって、新たなお客さんやサプライヤーと繋がっていくのか、
どうやって、人財を確保していくのか、
どうやって、災害や緊急事態に対応していくのか、等々、
益々、社会での存在意義を示していくことが重要な課題になってきている中小企業に対して、わかっているようで、わかっていない「マーケティング」、今更、聞くに聞けない「マーケティング」の事など、総合的なマーケティング活動の施策支援のサービスが提供できるように、絶えず精進を続けている。

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