023.犯罪から学ぶ?フロントエンド。【古野 徹】
広告業務従事歴、35年を越えました。
2年程前のことでした。
マーケティング・コンサルティングの事業開業に向けて、更に、修学に勤しんでいました。
そんなある時、クレジットカードの勘定科目の振分け等の経理業務をしている時でした。
某サイトのプレミアム会員の会費、498円の請求を発見。
実際にその会員で、よく利用していたので、何気にスルーしてしまいました。
でも、何か違和感が…。
翌月も同様にカード請求のチェックを!!
ちょっと待てよ、請求書を見ていて、この498円の請求、これ、個人のカードで支払っていたはず!?
個人の請求書を確認してみると、やっぱり!
法人カードに不正利用を発見。
まさか自分に!?と、注意していたつもりでも…。
早速、サイトへメールで問い合わせ。
このサイト、電話の問い合わせ窓口が一切、無い企業なのです。
世界的に超有名プラットホーム企業なのですが。
この徹底振りは、感心させられますが、正直、好きな企業ではありません。(笑)
直ぐに、返信が来て、至急、カード会社へ?問い合わせしてくださいと…?
詳しくは、カード会社で聞きました。
これも、変?じゃな~い。
最近の不正利用の手口として、
流行っている手口だそうで、
・1月目:498円
・2月目:498円
如何にもスルーしてしまいそうな金額を請求。
・3月目:15,000円
カード会社に問い合わせた時には既に
3月目の請求が起きていたそうです。
実際には、4月目にも
15,000円くらいの請求後、
次に、いきなり、数十万円の請求を起こしてくるそうです。
私は、2月目で気が付き、問い合わせ、カード会社の損害も少額で済んだそうです。
この手口、気が付かずに、いきなり、数十万円の請求が来た時、状況によっては、約款の関係で、保険が効かないケースもあったそうです。
皆さんも気を付けてくださいね。
ところで、この件で私が驚いたのは、
少額の不正利用から、高額決済になる流れ。
マーケティングを生業とする我々からすると、そのセオリーに似ているなって事に気付きました。
マーケティングで言う、最初の少額決済って、
「フロントエンド」の手法と同じなのです。
そして、「バックエンド」となる高額決済へと進み利益を上げる。
犯罪者も、結構、勉強しているのかなぁ~って、本当に、感心してしまいました。
しかし、この経験を逆説的に見てみると、「フロントエンド商品」の重要さです。
先ずは、見込み客に痛手とならない程度の金額をお支払いしてもらう。
そして、それらの商品を体験、体感してもらい、貴社の商品、サービスの価値を理解、共感してもらうことで、次のバックエンド商品への購入に繋がっていきます。
とすれば、フロントエンド商品が1つだけというのではなく、
貴社の見込み客のベネフィットに応じた、フロントエンド商品が複数あってもいいのではないでしょうか。
普段から、複数のフロントエンド商品へのアイデアや企画、工夫を、検討していっては如何でしょうか。
2020.03

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