007.一番大事なのは、コレ!【古野 徹】
前回、売上増を果たすために、陥りがちな「この思い込み」、捨てるべき「3つの常識」についてお話ししました。
その3つの常識とは何か、その1つ目として…。
売り上げをアップするためには
・新規顧客も含め客数を増やす
・客単価を増やす
・購入頻度、リピート率を増やす
と、3つの方法があります。
しかし、私たちが取る施策やアクション、書店に並ぶ多くの書籍やセミナーに参加し多くの“ 講師 ”が語る内容は
売り上げ増=客数増
という施策、見識に、偏っているように感じませんか。
ご自身でも振り返ってみると、経験上でも、そう感じていませんでしたか。
では、一番に重要視すべきものが「客数を増やす」ことではないとするならば、
・客単価を増やすことと
・リピート率、購入頻度を増やすこと
大事なのはどちらなのでしょうか。
恐らく、大半の方が「購入頻度を増やす」と答えます。
即ち、リピート率を増やすことと
多くの書籍やセミナーでもそう語られることが多いです。
業種や対象、事業規模によっては、一概には、言えませんが、ちょっと、見方を変えてみましょう。
すると、コレも違います。
では、その正解は、そう…、
「客単価を増やす」です。
では、それは何故なのか?
例えば、あなたが目指したい利益の目標を社長が得意な仕事、すべき仕事に集中し、貴社にとって良いお客さんとだけビジネスをしたいという目標を達成したい。
そのように考えているのならば、客数を増やすことに躍起になったらどうなるか?
社長であるあなたが、今、忙しいならば、もっともっと忙しくなってしまいます。
そして、必然的に悪い、自社にとって望ましく無いお客さんをもっと取り込んでしまいます。
そして、あまり望ましくないお客さんのままで、購入頻度、リピート率を増やすと当然、質の悪いお客さんがリピートしてしまいます。
そうならないために、重要視すべきなのが
「客単価を増やす」ことなのです。
客単価を上げると、当然、一人当たりの利益が増えます。
同様の利益を上げるためにも従来よりも少ないお客さんの数で済みます。
その結果、社長の仕事が減り、手が空きやすくなります。
その分、従業員やスタッフに教育、育成する時間を確保することができます。
また、お客さんの数が増えても、そのための人材確保をするための資金も確保しやすくなります。
そして、何より大きな見返りとして、お客さんの質が上がることです。
価格を上げるほど質の悪い、好ましくないお客の割合が減り、良いお客さんが増えます。
見た目、同様な商品でも安売り専門のディスカウントショップにいるお客さん、ブランドショップにいるお客さん。
どちらのお客さんが面倒で、クレームが多くて、価格以上のサービスを要求しそうですか?
それは、言わずとも前者ではないでしょうか。
品質には拘りや興味が無く、価格でしか商品やサービスの価値を見ない「望ましく無いお客」は、価格を上げると来なくなります。
見方を変えると、価格が高いこと自体がフィルターになり、好ましく無いお客が来づらくなります。
では、価格を上げると、その分だけサービスを向上させなければ、いけないのではと、考える方も多いとは思います。
しかし、例えば、価格を倍にしたからといっても、必要なサービスレベルが倍になる訳ではありません。
価格を上げた分相応に感じられる程度のサービス向上でも、十分すぎる満足も提供できるのです。
中小企業や零細企業の様な小さな会社は、安売り競争、価格競争では勝てません。
大手企業とは違う価値観、目線で見るべきでは無いでしょうか。
だから、客単価を上げ、
一人当たりの利益を確保して、
一人ひとりのお客様に対して
質の高い、ハイクォリティのサービスを提供する。
すると当然、リピート率、購入頻度もアップしていきます。
施策の目的として、購入頻度を増やす、リピート率を目的とするのでは無く、自社にとって相応しい、望ましいお客さんを集め、そのための資金、原資を確保するために、客単価をアップすれば、「結果として」リピート率、購入頻度が上がるという考え方です。
という訳で、
============
【捨てるべき常識1】
売り上げ増=客数を増やす
============
そう、中企業にとって最も重要なのは、客単価をアップするという見識も持つことです。
こういう見方にも真意があるとおもいませんか。
次回は、捨てるべき2つ目の常識について
お話しします。
2019.12

について














