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027.お褒めの声に、惑わされるな。【古野 徹】

自社の商品、サービスを購入して頂いたお客さんに、感想やアンケートへのお願いをすることって…ありませんか。

 

某通信事業者では、電話の問い合わせに対して、「品質向上のためにアンケートにご協力ください」って、後でよくメールが来ますよね。(笑)

個人的な意見ですが、明らかに、色々な電話応対の質って下がっていませんか…。

そう感じるのは、私だけ…!?

ちょっと、個人的なことに話がずれましたが…、

 

例えば、
「(この商品)を使ってみて成果が出ました!」
「今までが、嘘見たい!!」
などなど、称賛の声が届くと、

モチベーションも上がり、社員が会社に対しても誇りを持ち、ロイヤリティも、益々、アップ!なんて高揚する瞬間でもありますね。

 

お客さんの声を通した、様々なリサーチ情報は、販売促進資料としても、今後の企画立案、様々な施策などで有効利用が可能なので、大切に、可能な限り沢山、集めていくことも重要であります。

 

しかし、この施策で注意すべきことがあります。

ここで、集められたお褒めの言葉は、あくまでも少数派の意見に過ぎないと言えます。

一歩引いて考えてみてください。
こういうお褒めの言葉をくれるお客さんって、全体の1割くらいではありませんか。

 

当然のことですが、貴社の商品、サービスを購入したことの無いお客さんからは、喜びの声をもらう訳はありません。

つまり、これらのこと、お褒めの言葉からわかるのは、凡そ、1割くらいのお客さんが喜んで頂いている、という事実しか分からないということです。

ひょっとしたら、残りの9割の方々は、不満を感じているのかもしれません。

また、購入前のお客さんや市場、マーケットからは、全く評価されていない商品、サービスである可能性も含んでいます。

 

時には、
「何故、なんだろう」
「弊社の商品の良さを理解してくれていないのだろうか」とか、悶々としてしまう経営者もいるかもしれませんね。

それは、支持してくれる、共感してくれる人の声しか、聞いていないから、という可能性があります。

 

何が言いたいかというと

「声の大きさと、数は違う」

ということです。

 

つまり、お褒めと感謝の声の「大きさ」と支持してくれるお客さんの「数」は比例しません。

 

しかし、大きい声を多数派であると勘違いしてしまうと、現実とのギャップに、長期間、悩み続けるかもしれません。

特に、有名では無い、著名でない商品、サービスを購入するお客さんって新しいもの好きかもしれません。

そういう人達って、多少の不満があっても目をつぶって褒めてくれることもあります。

 

しかし、一方では、多数派のお客さんは、不満点、アラの方に、どうしても、目が行きがちになります。

拡販を目指していく場合には、この不満点、アラを削減して行くことがセオリー、課題となります。

見方を変えれば、それだけ、熱狂的な声や、お褒めの言葉をもらえるということは、優れた商品、サービスであることも間違いないのでしょう。

でも、その声は、支持者からの声でしかありません。

 

共感を得られ、褒められた部分を伸ばしつつ、アンチや知らない人からにも、受け入れてもらえるような改善を重ねて行くことがやっぱり、重要では無いでしょうか。

 

褒め言葉で、本質的なことを忘れてしまわぬように気を付けたいですね。

 

 

 

2020.04

 

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